大分地方裁判所 平成4年(わ)161号 判決 1992年12月22日
宣告の日
平成四年一二月二二日
裁判所
大分地方裁判所
裁判官
松野勉
検察官
増田保夫
被告人
本籍
大分県日田市大字渡里八二番地の一二
住居
右同所
会社役員
安元高明
昭和八年一月二七日生
罪名
所得税法違反
主文
被告人を懲役一年六月及び罰金三、〇〇〇万円に処する。
右罰金を完納することができないときは、金一〇万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。
この裁判の確定した日から三年間右懲役刑の執行を猶予する。
訴訟費用は被告人の負担とする。
罪となるべき事実
被告人は、大分県日田市中央一丁目二番二六号外二か所に店舗を設け、「きもの創り玉屋」の名称で呉服小売業を営んでいるものであるが、自己の所得税を免れようと企て、売上の一部を除外するなどの方法により所得を秘匿した上
第一 昭和六二年分の実際総所得金額が八、一七一万九、七六八円であったのにかかわらず、同六三年三月一〇日、大分県日田市田島二丁目七番一号所轄日田税務署において、同税務署長に対し、同六二年分のみなし法人所得金額が八五万三、二七九円、総所得金額が九九二万八、四八〇円であり、これに対する所得税額が源泉徴収税額の控除により六四万一、一〇〇円の還付となる旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、自己の同年分における正規の所得税額四、〇六二万六、〇〇〇円と右申告税額との差額四、一二六万七、一〇〇円を免れ
第二 昭和六三年分の実際総所得金額が七、九九二万一、三七七円であったのにかかわらず、平成元年三月一五日、前記日田税務署において、同税務署長に対し、昭和六三年分のみなし法人所得金額が五五五万二、三八九円、総所得金額が九八二万五、九七〇円であり、これに対する所得税額が源泉徴収税額の控除により七〇万六、五〇〇円の還付となる旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、自己の同年分における正規の所得税額三、七八七万三、六〇〇円と右申告税額との差額三、八五八万〇、一〇〇円を免れ
第三 平成元年分の実際総所得金額が一億三、二七四万三、六八四円であったのにかかわらず、平成二年三月一五日、前記日田税務署において、同税務署長に対し、平成元年分のみなし法人所得金額が一、五五六万一、三七三円、総所得金額が一、〇三五万二、八九六円であり、これに対する所得税額は、源泉徴収税額の控除により六三万七、二〇〇円の還付となる旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、同年分における正規の所得税額六、一三四万一、五〇〇円と右申告税額との差額六、一九七万八、七〇〇円を免れたものである。
適用した罰条
一 所得税法二三八条
二 刑法四五条前段、四七条本文、一〇条、四八条二項、一八条
三 刑法二五条一項
四 刑事訴訟法一八一条一項本文
(裁判官 松野勉)